日本人の英語が通じない4つの理由|カタカナ発音の罠

日本人の英語が通じない4つの理由|カタカナ発音の罠

はじめに

「何度言っても通じない…」
「何を言っているかわからない…」

海外旅行で、仕事で、オンライン英会話で。この経験をしたことがある日本人は多いと思います。

文法は合っている。単語も正しい。なのに通じない。。。
難しい英語ではないはずなのに、何を言っているかわからない。。。

言語って本来、文脈でコミュニケーションするものです。多少発音が完璧じゃなくても、文脈があって、それなりの発音で、ちゃんとした文で話せていれば通じます。日本語だってそうですよね。

実際、同じ人と長くコミュニケーションを取っていれば、多少発音がおかしくても相手が慣れて理解してくれるようになります。職場の同僚とか、いつもの英会話の先生とか。

でも、はじめましての相手だとそうはいかないこともあります。初対面の人には「あなたの英語のクセ」の蓄積がないので、発音がズレていると途端に通じなくなります。旅行先、商談、面接…大事な場面ほど初対面ですよね。

つまり、発音を改善するというのは「初対面でも通じやすくなる英語」を手に入れるということ。慣れてくれる人にしか通じない英語から、はじめましてでも伝わりやすい英語へのアップグレードです。

ただ、ここで一つ大事なことを言っておきたいんですが、ネイティブみたいな発音を目指す必要はありません。

アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、シンガポール英語、スペイン人の英語…世界中の英語にはそれぞれクセがあります。それでみんな普通にコミュニケーションしている。日本人の発音にクセが残るのも、それ自体は全然悪いことじゃないです。

大事なのは「日本人でもちょっと意識すれば身につくポイント」を押さえること。ネイティブ発音を目指す必要はなくて、知っているだけで通じやすさが変わるコツがいくつかあるんです。このブログとチャンネルでは、そのコツをひとつずつ一緒にやっていきます。

で、日本人の英語には、知らないままだと損しているポイントがいくつかあります。しかも、日本人が思っている「発音の問題」と、実際の問題はちょっと違うんです。

そして面白いことに、「通じない」と「聞き取れない」の原因は結構かぶっています。発音の仕組みがわかると、聞く力も自然と底上げされるんですよね。

この記事では、TOEIC 960の筆者が「日本人の英語が通じにくい&聞き取りにくい本当の理由」をゆるく、でもしっかり解説していきます。

動画でも話しています(約12分)


1. 「通じない」と「聞き取れない」は実はつながっている

「発音ってスピーキングの話でしょ?リスニングとは別じゃない?」と思うかもしれません。

完全にイコールではないけれど、かなりつながっています。

例えば、英語の音の仕組みを知らないまま聞いていると、ネイティブが “want to” を “wanna” と言ったときに「え、今なんて言った?」となります。でも「want to は wanna に変化する」と知っていれば、聞こえやすくなります。

つまり、発音のルールを知ることは、話す力と聞く力の両方に効くわけです。

ただ、繰り返しになりますが、完璧を目指す必要はありません。言語はそもそも文脈で理解するもの。例えばRとLの聞き分けは正直、日本人にはかなり難しいけど、文脈で判断できれば実用上は困りません。ネイティブだって、騒がしいバーで会話するときは文脈に頼ってます。

大事なのは「完璧な耳」じゃなくて、「通じるレベルの口」と「文脈込みでわかる耳」。このくらいのゆるさで全然OKです。


2. 日本人の発音が通じにくい&聞き取りにくい4つの理由

カタカナ変換の罠(理由①)

日本人は英語を聞くと、脳が自動的にカタカナに変換します。これ、無意識にやっちゃうんですよね。

  • “water” → 「ウォーター」
  • “McDonald’s” → 「マクドナルド」
  • “ticket” → 「チケット」

問題は、この変換の過程で元の音が完全に別物になっていること。

例えば “water”。カタカナだと「ワラー」に近いと言われることもありますが、実際に聞いてみると普通に「ウォーター」に聞こえると思います。でも、ネイティブの “water” と日本人の「ウォーター」は、実は音の作り方が違うんです。なぜ「ワラー」と言われるのか、その仕組みは今後の記事で詳しく解説していきますが、大事なのはカタカナの「ウォーター」をそのまま言っても通じにくいということ。

聞く側も同じ問題が起きます。ネイティブの “water” の音と、自分が期待している「ウォーター」の音がズレているから、結びつかない。

カタカナ変換って便利なようで、話すときも聞くときも壁になっちゃうんです。

英語の母音15種類vs日本語の5種類(理由②)

日本語の母音は「あ・い・う・え・お」の5つだけ。

一方、英語の母音は15種類以上あります。これ、地味にすごい差です。

例えば、日本語の「ア」に対応する英語の音だけで3種類あります。

英語の音日本人の発音実際の音
/æ/cat 「キャット」口を横に広げた「ア」
/ʌ/cup 「カップ」短く弱い「ア」
/ɑː/car 「カー」口を大きく開けた「アー」

日本人はこの3つを全部「ア」で発音しちゃうので、ネイティブには区別がつきにくい。

聞く側でも、3つの違う「ア」を聞いても脳が全部同じ「ア」に分類してしまう。だから文脈がないと単語を特定しにくくなるんですよね。

とはいえ、15種類全部を完璧に言い分けろというのは、正直求めすぎです。日本人がそこまで意識して話すのは現実的じゃないと思っています。

大事なのは「ここだけは言い分けた方がいい」というポイントを知っておくこと。全部じゃなくて、通じやすさに直結するいくつかの母音だけ押さえればOKです。具体的にどの母音をどう言い分けるかは、今後の記事で詳しく紹介していきますね。

日本語にない子音:R/L・TH・V/B・F/H(理由③)

母音の話をしましたが、子音にも日本語にない音がいくつかあります。

代表的なのはこのあたり。

  • RとL — 日本語では同じ「ラ行」だけど、英語では全く別の音。right と light は違う単語
  • THの音 — think の /θ/ や this の /ð/ は、日本語に存在しない。つい「s」や「z」で代用しちゃう
  • VとB — very と berry 、日本人はどっちも「ベリー」になりがち
  • FとH — fun と hun 、唇と歯を使うか使わないかの違い

日本語にない音なので、意識しないと日本語の近い音で代用してしまいます。代用しても文脈で通じることは多いけど、初対面の相手だと「ん?」となるポイントでもあります。

こちらも全部を一度にやる必要はなくて、特に通じにくさに直結するものから順番に、今後の記事で紹介していきます。

音節の膨張:子音に余計な母音を足す罠(理由④)

日本語は「子音+母音」のセットで成り立つ言語です。か=k+a、す=s+u、と=t+o。

そのため、英語の子音だけの音に出会うと、無意識に母音を足してしまいます。

  • “stop” → 「ストップ(su-to-ppu)」(1音節 → 3音節に膨張)
  • “desk” → 「デスク(de-su-ku)」(1音節 → 3音節に膨張)
  • “strength” → 「ストレングス(su-to-re-n-gu-su)」(1音節 → 6音節に膨張!)

英語の “stop” は1音節の単語なのに、3音節になるとリズムが完全に変わります。英語はリズムで単語を認識する言語なので、音節数が違うと通じにくくなるんです。

そしてここが面白いところなんですが、「英語が速くて聞き取れない」の正体も実はこれだったりします。

ネイティブは “stop” を1音節で言っている。でも日本人は3音節分の長さを期待している。だから「速すぎる」と感じる。実は速いんじゃなくて、音節数の認識がズレているだけなんですよね。


3. アメリカ英語とイギリス英語で違う?

結論から言うと、上記の4つの問題はどちらの英語でも共通です。

ただし、アメリカ英語とイギリス英語では発音にはっきりした違いがあります。

特徴アメリカ英語イギリス英語
Rの発音強く巻く(rhotic)母音の後のRは発音しない(non-rhotic)
“water”のTTが柔らかく変化(フラッピングT)
「ウォータ」(Tをはっきり)
“can’t”の母音/kænt/(キャント)
/kɑːnt/(カーント)

どちらが「正しい」ということはありません。どちらでも通じます。

ちなみに、日本人にとってはイギリス英語の方が発音しやすいケースが多いです。Rを巻かなくていい分、口の動きがシンプルだから。一方、日本人が普段触れる英語はアメリカ英語が多いので、リスニングではアメリカ英語に慣れている人が多いかもしれません。

このチャンネル・ブログでは両方の違いを比較しながら解説していくので、自分に合う方を選んでもらえればと思います。


4. 今日から始められる3つの改善法

改善法①:聞こえた通りに真似してみる

正直、カタカナ変換は日本人の脳に染みついているので、完全にやめるのは難しいです。それはしょうがない。

なのでまずは、聞こえた通りに発音を真似してみることから始めてみてください。

ネイティブの “water” を聞いて、自分なりに聞こえたままを口に出してみる。カタカナで正しく書けなくてもいいんです。大事なのは「ウォーター」というカタカナを経由せずに、聞こえた音をそのまま真似すること。これだけで、カタカナ変換のフィルターが少しずつ薄くなっていきます。

聞くときも同じで、「この単語はこう聞こえるはず」という先入観を一旦置いて、実際に聞こえてくる音をそのまま受け入れるようにしてみてください。

改善法②:日本語にない音があることを知っておく

英語には日本語にない音がいくつかあります。RとL、THの音、日本語にない母音の区別など。

全部を一気に覚える必要はないですが、「日本語にはない音が存在する」ということを知っているだけでも意識が変わります。

具体的にどの音をどう練習すればいいかは、今後の記事でひとつずつ紹介していきますね。

改善法③:AIに英語で話しかけてみる

ChatGPTなどのAIに英語で話しかけてみてください。それだけです。

AIがちゃんと聞き取ってくれたら、少なくともAIには通じる発音ができているということ。逆に変な返答が返ってきたら、その単語の発音がズレているサインです。

手軽に自分の発音をチェックできるので、試してみてください。


まとめ

日本人の英語が通じにくい、そして聞き取りにくい原因として大きいのは、この4つ。

  1. カタカナ変換 — 元の音が別物に変わってしまう
  2. 母音の不足 — 5母音で15以上の音をカバーしようとしている
  3. 子音の違い — RとL、TH、VとBなど日本語にない音がある
  4. 余計な母音 — 子音の後に母音を足してリズムを崩している

もちろん、言語は文脈でコミュニケーションするものなので、発音だけが全てではありません。でもこの4つを知っておいて、少し意識するだけで、通じやすさも聞き取りやすさも変わってきます。完璧は目指さなくていい。ちょっとずつ「そこそこ」のレベルを上げていきましょう。

次回からは、今回の内容を少しずつ深堀りしていきますのでお楽しみに!


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