英語が聞き取れない正体|kinda・shoulda・outta の意味と読み方
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はじめに:kinda・shoulda が読めない正体
第3回の記事で、英語が一気に流れて聞こえる正体を整理しました。連結(リエゾン)/脱落/弱形の3つの仕組み。そして最後に、gonna(going to)wanna(want to)gotta(got to)dunno(don’t know)といった崩し系の話もしましたね。あれは「怠け」じゃなくて、実際の音の流れを、そのまま文字に起こしただけ——という話でした。
今回は、その続きです。
実は、崩し系の仲間は、まだまだいるんですよね。たとえば——
kinda、sorta、outtaが読み取れない — 第3回で gonna の仲間は分かったのに、字幕やSNSでkinda(kind of)やoutta(out of)を見ると、また止まる。「これ何の略だっけ?」となるshoulda、coulda、wouldaが暗号に見える —I shoulda knownのshoulda、should haveのことだと分かりますか? しかも「should ofって書く人がいるのは何で?」というモヤモヤ付き- 字幕の
'dが読めない —What'd you do?の'd。これが had なのか would なのか did なのか、文字を見ても決まらない。音だと「ワッジュドゥ」と溶けていて、なおさら分からない Whaddaya、Whatchaが完全に暗号 — 「Whaddaya think?」「Whatcha doin'?」。元が What do you / What are you だと、まず結びつかない
どれも「字幕に出てくるのに読み取れない」「聞き取れない」という、第3回と地続きの悩みですよね。
書いているのは、TOEIC 960 の日本人です。それでも、いまだに崩し表記で止まる瞬間があります。だからこそ「ネイティブなら自然に分かる」で終わらせず、日本語話者がどこでつまずくのかという側から整理できます。
そして今回いちばんお伝えしたいのは、これです。
崩し表記は、無限にあるわけじゃありません。少数のパターンの組み合わせでできています。
kinda も shoulda も outta も、バラバラに暗記する必要はないんです。実は、(A) of が消えて「a」になる/(B) have が消えて「a」になる/(C) to が弱まって「ta」になる——こういう数えるほどのパターンの組み合わせ。パターンさえ知っておけば、初めて見る崩し表記でも「あ、これ◯◯のことか」とすぐ翻訳できるようになります。
そこで先に、この記事で持ち帰れるものをはっきりさせておきます。
この記事を読むとわかること
- 崩し表記の5パターン——消えているのは of / have / to の3語だけ
'dの正体の見分け方——had / would / did のどれかを、後ろの形で判定するWhaddayaWhatchaの元の形——What + do / are / have の同化
自分が崩して話せるようになる回では、ありません。読み取れる・聞き取れるようになるための回です。
kinda や shoulda を、自分で無理に崩して言う必要は、まったくありません。第6回(暗いL)でもお伝えしたとおり、話す側は無理しなくてOK・聞き取れれば勝ち。普通に「kind of」「should have」と言っていれば、ちゃんと通じます。それより、「あの崩し表記は、こういうパターンでできている」と知っておくことのほうが、ずっと役に立ちます。
崩し表記を、5つのパターンに整理していきます。いつも通り、ゆるくいきましょう。
おさらい:崩し系は「怠け」じゃなくて、発音通りに書いただけ

本題に入る前に、第3回のおさらいから。
第3回では、gonna、wanna、gotta、dunno、gimme、lemme の6つを扱いました。結論はこうでしたね。
崩しは怠けじゃなくて、発音通りに書いただけ。
going to を、ふだんの会話のように力を抜いて言うと、口は自然と「ガナ」みたいに動きます。速いからそうなるというより、楽に言うと自然とそうなるんです。それをそのまま文字に起こすと gonna になる、というだけ。日本語でも、「しなければならない」が会話だと「しなきゃ」、「やっておく」が「やっとく」に縮みますよね。怠けてるんじゃなくて、よく使う表現は自然と省エネ化される——言語に共通するクセです。
| 崩し形 | 元の形 | 意味 |
|---|---|---|
| gonna | going to | 〜するつもり |
| wanna | want to | 〜したい |
| gotta | (have) got to | 〜しなきゃ |
| dunno | don’t know | 知らない |
第3回「リンキングと連結」が6語の宣言編だとすると、今回はそのフル展開編。「崩しは発音通りに書いただけ」というこの考え方、今回も全編を貫く軸になります。
崩し英語の5パターン|of・have・to が消える仕組み
ここから、崩し表記を5つのパターンに分けて見ていきます。消えているのは of / have / to の3語。この3語がどう化けるかを知れば、初見の崩し表記でも元の形が読めるようになります。
パターンA:of が「a」になる(kinda / sorta / lotta / outta)

最初のパターンは、of が消えて「a」になるもの。これがいちばん数が多くて、つまずきやすいところです。
代表は kinda(kind of)と sorta(sort of)。どちらも「ちょっと」「なんか〜な感じ」みたいに、会話で連発される表現です。
なぜ「a」になるのか。これは第3回の弱形の延長で説明できます。of は、強く言えば「オブ」/ʌv/ ですが、文の中ではたいてい弱くなって /əv/(ァヴ)になります。そこからさらにカジュアルに崩れると、最後の v まで落ちて /ə/(ァ)だけが残る。その「ァ」を文字にすると——a になる、というわけです。
/ʌv/(オブ)→ /əv/(ァヴ)→ /ə/(ァ)→ 文字 a
聴き比べてみましょう。「元の形 → 崩し形」の順です。
kind of → kinda
sort of → sorta
kind of の「ド オブ」が、つながって「ダ」に。sort of も同じで「タ」に。kinda(カインダ)/sorta(ソータ) と聞こえます。「カインド・オブ」と頭で待ち構えていると、流れてくる「カインダ」が別物に聞こえてしまうんですよね。
仲間はまだあります。同じ「of → a」の仕組みです。
a lot of → lotta
out of → outta
a lot of が lotta(ロッタ)、out of が outta(アウタ)。I'm outta here(もう行くね/ここから出るよ)、We're outta milk(牛乳を切らしてる)みたいに、ネイティブの会話でめちゃくちゃ出てきます。
聞き取り側のコツは、単語の終わりに付いた「a」を見たら、of を疑うこと。「kinda って何?」が「ああ、kind of ね」に変わるだけで、字幕を読むスピードが一段上がります。
パターンB:have が「a」になる(shoulda / coulda / woulda)

2つ目のパターンは、have が消えて「a」になるもの。仕組みはパターンAとそっくりです。of も have も v で終わるので、同じように v が落ちて「a」になるんですね。
代表は shoulda(should have)。「〜すべきだった(のにしなかった)」という、後悔を表す should have です。
should have → shoulda
should have の have が弱くなって /əv/ → /ə/ となり、should とつながって shoulda(シュダ)。I shoulda known(気づくべきだった)、You shoulda told me(言ってくれればよかったのに)みたいに使われます。
仲間も同じ仕組みです。
could have → coulda
would have → woulda
could have が coulda(クダ)、would have が woulda(ウダ)。3つ並べて “woulda, coulda, shoulda”(ウダ・クダ・シュダ)というフレーズで、「たられば(後悔してもしょうがない)」みたいな意味の決まり文句にもなっています。映画やドラマでよく耳にするはずです。
ここで、ひとつつまずきやすいポイントを整理しておきます。
聞き取り側のコツは、パターンAと同じ。「a」で終わる崩し形を見たら、of か have を疑う。後悔や仮定の話(〜すべきだった、〜できたのに)の流れなら、ほぼ have です。
パターンC:to が「ta」になる(hafta / oughta)

3つ目は、to が「ta」になるパターン。これは第3回の弱形でも触れた to(弱形は「タ」)が、さらに前の単語とくっついて固まったものです。
代表は hafta(have to)。「〜しなければならない」の have to です。
have to → hafta
ここで面白いのは、have to の have が「ハヴ」じゃなくて「ハフ」になっていること。後ろの to の t(無声音)につられて、have の v も「フ」(無声音)に寄るんですね。結果として hafta(ハフタ)。I hafta go(行かなきゃ)のように使います。
仲間も見ておきましょう。
ought to → oughta
ought to(〜すべき)が oughta(オータ)。You oughta try it(試してみるといいよ)みたいに使われます。
そして、第3回でやった gotta(got to)も、実はこのパターンCの仲間なんです。got to の to が「タ」になって gotta。have to → hafta と全く同じ仕組み。第3回では「崩し系」のひとつとして紹介しましたが、パターンで見ると「to が ta になった」グループに入る、というわけです。
聞き取りのコツは、「fta」「ta」で終わる崩し形を見たら、to を疑う。「ハフタ?」が「ああ、have to ね」に変われば十分です。
パターンD:「‘d」の正体(had / would / did が溶ける)

4つ目は、ちょっと毛色が違う 'd(アポストロフィ d)の正体。これは「of・have・to が消える」系とは別で、短く縮約された結果、何の単語か分からなくなるタイプです。
ただ、先に安心してほしいのは——聞き取りの本番では、'd の正体を1つに特定できなくても大丈夫だということ。話の流れでなんとなく意味がつかめれば、それで十分です。「今のは had? would?」と、その場で考え込む必要はありません。
一応、正体を知っておくと、耳がもっとラクになります。I'd、it'd、What'd……この 'd、実は3つの可能性があるんです。
- had … 過去完了(
I'd already eaten= I had already eaten/もう食べ終わっていた) - would … 仮定・推量(
It'd be nice= It would be nice/いいだろうね) - did … 過去の疑問(
What'd you do?= What did you do?/何したの?)
同じ 'd でも、had だったり would だったり did だったり。だから「文字を見ても、何の単語か決まらない」と感じるんですよね。
ここで、いちばん溶けやすい例を聴いてみましょう。
What’d you do?
カタカナで近似すると ワッジュドゥ。What + 'd(did)+ you が全部つながって、しかも 'd と you がぶつかって「ジュ」に化けています(第3回でやった連結+同化です)。What did you do? だと知らないと、まず聞き取れません。
What'd ほど溶けない、短い 'd もあります。I'd(アイド)、it'd(イッド)あたりは、サラッと一瞬で過ぎていくので、聞き逃しやすいところ。「アイド?」と思ったら I had か I would のどちらか、と身構えておくと拾えます。
聞き取りのコツは、'd が聞こえたら(または字幕で見たら)、had / would / did のどれかだと身構える。それだけで、暗号だった 'd がほどけます。
パターンE:「Whaddaya」「Whatcha」の正体(What + do / are / have の同化)

最後のパターンは、いちばん暗号っぽく見える Whaddaya、Whatcha の正体。これは What + do / are などが、まるごとつながって1つに溶けたものです。
これも肩の力は抜いてOK。話の流れで意味さえ取れれば、元が do なのか are なのか have なのかを、その場で言い当てる必要はありません。「What + 何か + you のかたまりだな」と気づければ、聞き取りとしては十分です。
一応、仕組みを見ておくと、もっとスッキリします。まず Whaddaya。これは What do you が溶けた形です。
Whaddaya think?
What do you の3語が、つながって ワダヤ。What の t が Flap T(ラ行化/第5回「t の7変化」参照)で「ダ」に寄り、do you も溶けて、全部で「ワダヤ」。Whaddaya think?(どう思う?)、Whaddaya want?(何が欲しいの?)のように使われます。
もうひとつは Whatcha。これは What are you や What do you が、ものすごく弱く・速く発音された形です。
Whatcha doin’?
間にある are や do が強く弱まって、残った What と you が直接つながり、t と y がぶつかって「チャ」/tʃ/ のような音に化けます。これで Whatcha、「ワッチャ」のように聞こえるわけです。Whatcha doin'?(何してるの?=What are you doing?)、Whatcha do?(お仕事は?=What do you do?)、Whatcha got?(何持ってるの?=What have you got?)のように、カジュアルな会話でよく出てきます。
ここで大事なのは、Whaddaya と Whatcha は「元の単語」で決まっているわけではないこと。同じ What do you want? が、崩れ方しだいで Whaddaya want?(ワダヤ)とも Whatcha want?(ワッチャ)とも聞こえます。Whaddaya と Whatcha は、What do you / What are you(時に What have you)が強く崩れた音の、2つのバリエーション——「ダ」寄りか「チャ」寄りか、の違いなんですね。
じゃあ、元が do なのか are なのか have なのか。それは崩し形ではなく、後ろに来る動詞で見分けます。次の💡box にまとめます。
ここで、第3回と今回がつながる、合わせ技の定番をひとつ。
聞き取りのコツは、文頭の「ワダヤ」「ワッチャ」は、What do you / What are you だと身構える。最初は呪文に聞こえますが、正体が分かれば一発です。
崩し英語はビジネスで使っていいか

パターンA〜Eを見てきました。最後に、「で、これ自分で使っていいの?」という疑問と、聞き取りの実践をまとめます。
使い分けの基本は、第3回でお伝えしたルールがそのまま使えます。
- 書き言葉では、基本どれも避ける(メール、文書、プレゼン資料、面接の文章など)。
should haveをshouldaと書くことはしない、というイメージ - 話し言葉では、ビジネス度に合わせて使い分ける。雑談ならOKでも、上司や顧客との場ではフォーマル寄りに
- 迷ったら “When in doubt, go formal.”(迷ったらフォーマル寄りで行け)
ひとつだけ補足すると、今回の kinda / shoulda 系は、第3回の gonna よりさらにカジュアル度が高めです。gonna は社内会議でも普通に出てきますが、shoulda、Whaddaya あたりは、かなり砕けた響き。フォーマルな場では「should have」「What do you」と言うほうが安全です。とはいえ——繰り返しになりますが、自分で崩して言う必要はそもそもありません。「should have」「want to」と普通に言っていれば、ちゃんと通じます。今回の主役は、あくまで聞き取り・読み取りです。
さて、聞き取りの実践です。実際の字幕や会話では、パターンが複合して出てきます。1つの文に、崩し形が2つも3つも入るんですね。最後に、その「合わせ技」を聴いてみましょう。
Whaddaya wanna do?
I shoulda known.
Whaddaya wanna do? は、Whaddaya(What do you=パターンE)+ wanna(want to=第3回)。元に戻すと What do you want to do?(何したい?)。I shoulda known は shoulda(should have=パターンB)で、I should have known(気づくべきだった)。
崩し形が重なっても、1つずつパターンに当てはめて元に戻せば、ちゃんと読み解けます。「Whaddaya wanna do って呪文?」が、「What do you want to do ね」に変わる。これが、今回いちばん持って帰ってほしい感覚です。
最初は字幕(CC)をONにして、「あ、ここ kinda だ」「これは shoulda = should have か」とパターンを当てる練習がおすすめ。映画でもYouTubeでもポッドキャストでもOKです。1日1フレーズ、崩し形を見つけて元に戻すだけで、耳と目がどんどん慣れていきます。
そして、先生の kinda や shoulda がリアルタイムで聞き取れた瞬間——それがいちばんの成功体験になります。
まとめ:崩し英語5パターンの読み解き方
字幕の kinda / shoulda / ‘d / Whaddaya が読み取れない正体は、崩し表記が無限にあるからではなく、少数のパターンの組み合わせでできているから。改めて、5つのパターンを並べます。
A. of が「a」 — kinda(kind of)/sorta(sort of)/lotta(a lot of)/outta(out of)
B. have が「a」 — shoulda(should have)/coulda(could have)/woulda(would have)※「should of」は誤記、正しくは have
C. to が「ta」 — hafta(have to)/oughta(ought to)/gotta(got to=第3回既出)
D. 「‘d」は had / would / did — What’d you do?(ワッジュドゥ=What did you do)。どれかは文脈で見分ける
E. What + do / are / have の同化 — Whaddaya think?(What do you)/Whatcha doin’?(What are you)
崩し表記は、バラバラに暗記するものじゃありません。「a」を見たら of か have、「ta」を見たら to、「‘d」は had/would/did、文頭の「ワダヤ」は What do/are——この5つさえ頭に入れておけば、初めて見る崩し形でも「あ、これ◯◯のことか」と即翻訳できるようになります。
そして、このシリーズで何度もお伝えしているとおり、完璧を目指す話ではありません。kinda や shoulda を、自分で無理に崩して言う必要はないんです。普通に「kind of」「should have」と言えば、ちゃんと通じます。今回はあくまで「聞き取れる・読み取れる耳と目をつくる」回。崩し表記が降ってきても焦らず元に戻せる——それが今回の収穫です。完璧より、通じる。それが一貫したスローガンです。
次回も、英語の音や表現をもう少し掘っていく予定です。→ 公開しました:第8回:カタカナ英語が抜けない正体|日本人英語の3つの癖と直し方(stop に「ウ」を足す/拍で数える/カタカナ表記で固める……3つの癖は根っこが1本、という回です)

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- 【Shorts】第7回 #27 Whaddaya が暗号に見える?|正体は What do you / What are you
- 【Shorts】第7回 #28 崩し表記は無限じゃない|実は少数のパターンの組み合わせ
過去回もあわせてどうぞ:
- 【記事・第3回】英語が一気に流れて聞こえる正体|リズムと連結の3パターン(崩し系=今回の宣言編。gonna / wanna / gotta の解説はこちら)
- 【記事・第1回】日本人の英語が通じない理由&聞き取れない理由|カタカナ発音の罠と脱出法
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TOEIC 960の日本人。カナダでのワーホリなど英語を「使う」環境も経験しつつ、いまだに聞き取れない瞬間がある学習者目線の書き手です。「知ってると全然違う」発音・リスニングのしくみを、ゆるく発信しています。
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